パワーシステム教育研究分野

小・中学生,高校生のみなさんへ

この世界を動かしているのは「電気」です

 今日,朝起きてから電気のスイッチに何回さわりましたか?電気製品を何回使いましたか? そう考えてみると,今の時代を生きていくためには,「電気」はなくてはならないことに気づくと思います。
 「電気」は,モータを回して色々なものを動かす動力であり,コンピュータで瞬時に的確な判断をする素晴らしい頭脳であり, センサーで物を感じて伝える神経でもあり,インターネットや電波で情報を伝えるメッセンジャーでもあります。 まさに,現代社会を動かしている万能選手なのです。さらには,ジェット機やスペースシャトルなど, 電気で動いていないから「電気」とは関係なさそうに思えるものでも,それを思い通りに動かすためには,頭脳や神経としての「電気」が絶対に必要です。
 実は,「電気」は,皆さんが思っている以上に意外なところでも活躍しており,「電気」を全く必要としないものを探すことの方が難しいくらいです。


便利なエネルギー「電気」を,これからも使い続けるために

 今の生活を続けていくために,そして,本当に人間らしい豊かさを求めていくためにも,「電気」を使い続けていく必要があります。 しかし,その一方で,電気を作るときに石油や石炭,天然ガスを燃やしてエネルギー資源を消費したり,それによって二酸化炭素を排出するなど, 地球に対して色々な影響を与えていることも事実です。こうした問題に目を向けることなく「電気」を使い続けることは,もうできなくなってしまいました。 では,どうしたらよいでしょうか?
 「電気」というのは,いろいろなエネルギーから変換して得られるエネルギーです。 したがって,「電気」を作るために使うエネルギー源を,「エネルギー資源や地球環境に対する影響の少ないエネルギー源に切り替えていく」ことが必要です。 例えば,石油を燃やして蒸気を作って発電機を回して電気を起こしていたものを,太陽電池で「電気」を起こす方法や, 自然の風で「電気」を起こす方法に少しずつでも代えていくことなどが考えられます。
 また,もう一つは,せっかく作った「電気」ですから,「少しの無駄もなく有効に使う」ようにすることです。 例えば,発電所で作った「電気」を使うところまで送ってくる間に熱となって使われずに捨てられているエネルギーがあります。 また,色々な「電気」を使う機械の内部でも電気エネルギーの一部が熱となって使われずに捨てられています。 また,気温に応じてエアコンの能力を切り替えるなど,うまく使えば使わなくてもすむ電気エネルギーもたくさんあります。 こうした「電気のムダ」を減らしていく技術が大切です。
 それと,世界中の人たちが,「電気を大切に使おう」と考えて行動することも,非常に重要なことなのです。


みんなで将来の「電気」を考えませんか?

 私たちの研究室では,電気エネルギーの大きさや形を変えたり, 流れをコントロールする電力変換回路を軸にパワーエレクトロニクスという技術について研究しています。
 私たち人類が,地球と共生していきながら「電気」を使い続けるために, このパワーエレクトロニクスは大きな役割を果たせると考えています。 それを実現していくためには, 次の時代を背負ってくれる多くの若い人たちが, 私たちの仲間に加わってくれることが絶対に必要です。
 皆さんも,将来の「電気」を支える仲間に入りませんか?


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